離婚

離婚が子供に与える影響とは?心のケアの方法は?

離婚は夫婦双方にとっての大事件ですが
子供にとっては単なる事件以上の影響が
あるようですね。

場合によっては、
後々の子供の成長や人生まで変わってしまう
ほどの大変な影響があるのです。

自分自身が原因ではないことで、突然環
境が一変し、しかも多くの場合良くない
方向への変化がおきます。

幼ければ幼いなりに、成長していれば
成長しているなりに、その変化は特に
子供の精神に深い傷を負わせます。

そこで今回は、離婚が子供に与える影響
と、その心のケアの方法を調べてみました。

離婚が子供に与える影響は?

では、離婚が子供に与える影響にはどの
ようなものがあるのでしょうか。

考えられるものとはしてはこのようなも
のが挙げられます。

精神的なトラブルの増加

最もよくあるケースとしては、子供の精
神面への影響でしょう。

それも良い方向の影響ではなく、不安感
や絶望感などの
精神的トラブルがほとんどです。

離婚により、これまでの父と母の関係が
断絶し、環境も激変しますので精神的
トラブルが増えるのも当然でしょう。

しかもこの種の危機感や絶望感は、離婚
当時の一時的なものにとどまらず、

10年後20年後の成人時の性格形成にも強い影響を与えます。

両親間の敵意を感じ取ることで、性格の形成に悪影響が出る

離婚にしても、夫婦がお互いに憎悪など
抱かず、愛情を持って和やかに離婚でき
るのなら、子供への悪影響も少なくなるでしょう。

しかし夫婦が『愛情を持って和やかに』
過ごせるのなら、
そもそも離婚などする必要もないわけです。

離婚に際しては、悪意の投げつけあいに
終始する場合が大半で、その両親の言動
が子供に与える影響は計り知れません。

両親の悪罵と暴力の応酬の間で育った子
供が、成人後には非常に暴力的で攻撃的
な青年になったという実例もあります。

些細なことでキレやすく、なにかあれば
すぐ相手を攻撃するという、
危険な性格になったそうです。

離婚した家族の子供は粗暴化、非行化し
やすくなる可能性が高いということは、
確かにあるようですね。

家庭に対する不信感、絶望感の増大

家庭に対する不信感、絶望感の増大とい
うのは漠然とした表現です。

しかし、医学的にも離婚による恐ろしい
障害の可能性が、データ上に現れているのです。

福井大学とハーバード大学がアメリカで
ある調査を行いました。

それは夫婦間の身体的暴力を目撃した人
と、言葉の暴力に接してきた人の脳を、
MRIで調べるという調査です。

尚、調査対象は年齢層と学歴がほぼ同じ
若者です。

その結果は双方とも脳の一部に萎縮が
見られました。

しかし、身体的暴力を目撃した人より、
言葉の暴力に接していた人の方が

6倍も萎縮する率が高かったのです。

ある精神科医の経験では、身体的暴力よ
りも言葉の暴力によるダメージの方が子
供に対する影響は大きいと感じていました。

それがこのデータで実証され、慄然とし
たそうです。

成績などの低下

離婚後暫くは子供の成績が低下するとい
う現象も多いようです。

これは離婚による環境変化などで落ちつ
いて勉強できないとか、通学距離の増加
で時間的な余裕がなくなったなどの理由が考えられます。

しかし、それ以外にも、離婚で片親がい
なくなったため、現在の親にも
見捨てられるのではないかという恐怖感が大きいことにもよるようですね。

家庭は安心できる場所、親は信頼出来る
人という、それまでの常識が通用しなく
なる恐怖感は、子供に対する影響は非常に大きいでしょう。

これが後に子供が成人して結婚した後に
も尾をひき、
離婚家庭の子どもの離婚率が高い原因にもなっているようですね。

環境の悪化による健康その他への悪影響

環境のなどの悪化による健康その他への
悪影響もあるようです。

経済面の悪化により食事が粗末になり、
充分な栄養が取れないということもありえます。

又、住環境の悪化により、不衛生になる
ことも考えられます。

これらはいずれも子供にとっては、自力
では解決できない問題ばかりです。

といって、親にしても職につけない場合
もあり、簡単に改善することは困難です。

養育費などでも賄いきれない場合もある
でしょうし、これに対する有効な解決策
は思いつけません。

精神病や依存症、老化現象の発症率が高くなる

離婚家庭の子供には、
薬物(ドラッグ類)、アルコール、タバコ
などの依存症が多いとも言われています。

推測ではありますが、その原因は家庭の
不安定化による精神的不安感が大きいの
ではないかと思われます。

人は不安感や恐怖感を感じる時には、
何かにすがりたいと思うものです。

その対象が、ドラッグやアルコールなど
に依存することとなって現れているのでしょう。

タバコの場合も同じで、離婚した家庭の
男の子は、離婚していない家庭の子供より
喫煙率が約48%も多いというデータもあります。

精神科を受診した子供約400人を対象とし
た調査では、親が離婚している子供は、
そうでない家庭の子供と比べて、約2倍もいたそうです。

老化現象の早発については、常にストレ
スにされされていると、遺伝子にある
テロメアの働きが失われていくという説もあります。

テロメアは細胞の分裂の都度すり減って
いき、ある程度の細胞分裂回数(およそ80回)
を超えると、なくなってしまいます。

テロメアがなくなった細胞はもう分裂で
きなくなってしまい、それが老化に繋がります。

心のケアの方法はあるの?

ここまで書いてきたように、離婚が子供
に与える影響は恐るべきものがあります。

なんとしてでもこの悪影響を食い止めな
いと悲しい思いをするのは子供達です。

子供達の心のケアの方法は、結局親の心
がけ一つにかかっています。

0歳から3歳あたり迄の乳幼児の場合は、
細かい説明をしても理解出来ないので、
普段通りに落ちついて過ごすべきでしょう。

乳幼児は細かい説明は理解出来なくても
雰囲気は敏感に察しますので、親が興奮
したり消沈したりするのは禁物です。

離婚の事情の説明などは、
もう少し大きくなってからの方がよいでしょうね。

幼稚園あたりの年齢になりますと、あた
りの状況もおおよそ理解できるようなっ
てきます。

それだけに親の対応も難しくなります。

離婚の場合で怖いのは、子供が
両親が別れたのは自分のせいでは
と思い込んでしまうことです。

自分が良い子でなかったからなどと自分
を責めたり、逆にあんな人嫌いだなどと
攻撃的になったりします。

どちらもとても好ましくないことです。

そのような思い込みをしないよう、折に
触れてあなたはなにも悪くないということを告げてください。

小学生ともなると、離婚の意味もおおよ
そ理解出来るようになります。

それだけに親の対応も更に難しくなってきます。

時には子供と正面から向き合って、離婚
について
積極的に話し合うことも必要でしょう。

中学生以上では離婚の意味も現在の状況
も、ほぼ正確に理解しているでしょう。

『おとなの事情』という意味もわかって
いるのではないかと思います。

そのような年代の子供には、
正直に離婚の事情など話す
のが最大のケアになるでしょうね。

もっとも浮氣など男女の機微に関するこ
とはあからさまでなく、
子供用のオブラートに包んで話した方がよいでしょう。

現在のお金の状況なども話してもかまいせん。

但し、子供が「自分がいるために・・・」と
思うような話し方は絶対にすべきではあ
りません。

責任感の強い子供は重荷となりますし、
反抗的な子供なら怒りを表すでしょう。

全年代を通じての注意点としては、

  • できるだけ子供といる時間を多くとる
  • 子供と話す時には嘘はつかない
  • 理解出来る範囲内で全てを話す
  • 今の状況は子供にはなんの責任もないことを、はっきりと話す
  • 離婚関係以外でなにか悪いことをしたら、はっきりと叱る
  • もし子供に体調の変化や問題行動がある時は、早急に医者やカウンセラーと相談する

などです。

子供は意外に親のことはわかっていると
いうことを忘れないでくださいね。

結び

離婚は当事者の夫婦にとって人生最大の
影響がありますが、子供にとっても同じ
位の大きな影響を及ぼします。

しかもその子供への影響は、プラスの面
はほとんどなく、ほぼ全てが
マイナス面です。

時には、両親の離婚のために子供の将来
の人生にも、大きな障害が生じたりもします。

それをできるだけ防ぐためにも、子供の
心のケアに心がけねばなりません。

心のケアとしては、やはり子供との会話
が大きな効果があります。

嘘をつかず正直に話し、叱るべき時には
ちゃんと叱るという、ごく当たり前のこ
とが大きな心のケアになるでしょう。