探偵

探偵の助手はどんな仕事?年収や時給、なるための資格は?

探偵といいますと、警察も投げ出した
難事件を、メスで糸を切るようにスパス
パと解決していくというイメージがありますね。

しかし、それはあくまで小説やドラマの
中だけの話で、実際には日本での探偵は

事件の『捜査』ということは全くやりません。

やりませんというより、できないのです。

日本の警察は外部からの介入を極端に嫌
いますし、法的にも日本の私立探偵には

事件捜査の権限は全くありません。

では日本の探偵はなにをやっているのか、
というのが今回のテーマです。

探偵とはどんな仕事なのか、その年収や
時給、探偵になるための資格など、探偵
の実体に迫ります!

探偵はどんな仕事?

日本の探偵事務所には探偵の助手とい
う独立した職種はないようなのです。

アルバイトが補助的な仕事(車の運転など)
をする時には、助手あるいは見習いの立場
で行います。

しかし、そのような場合は通常はアルバイト
と呼ばれることが多く、

特に助手という職種や職務はないようです。

探偵の助手という名称は、やはり小説や
ドラマの中だけのものらしいですね。

そこでこの記事では、助手を含めての
探偵という名称とすることにしました。

探偵の仕事は?

探偵の仕事としては、このようなものがあります。

探偵の仕事の概要

  1. 行動調査
  2. 行方調査(人探し)
  3. 社会関係調査
  4. 信用調査
  5. セキュリティ関係調査

行動調査は探偵の仕事のメインです。

浮気調査が中心ですが、相手の行動を
調査します。

他の異性の存在や行動を調査するのです
が、

その方法は尾行が主なものです。

行方調査は、居所が分からない人を探します。

主として行方不明者の調査が多いのです。

中には初恋の人が今どうしているか調べ
て欲しいなどという、

ロマンティックな依頼もあるそうですよ。

社会関係調査は、

相手の信用度や素性を調べます。

結婚調査ではこの人と結婚して大丈夫か
雇用調査では雇用して大丈夫かなどを
調べて行きます。

信用調査は取り引きをするために法人や
個人の、

相手の信用について調査します。

主に財産状況などの調査ですが、これで
おおまかな信用度などはわかります。

セキュリティ関係調査は、

盗聴器や盗撮器の発見などを行います。

家や車などに、盗聴器・盗撮器が仕掛け
られている可能性がある場合など、それ
を発見するための調査です。

探偵の仕事の実際

探偵業はすべて相談者からの依頼内容に
合わせて行動することが必要です。

従って、普通の会社で言う

『勤務時間』というものは、あってないようなものです。

「何時に出社、何時に食事、何時に退社
」というスケジュールは決まっていない
ことが普通です。

やはり探偵というのは特殊な仕事なのですね。

具体的には、

対象人物の知りたい事実が判明しやすい時間帯

問題となっている事柄が一番発生する時間帯

を中心に、行動のスケジュールや方針が立てられます。

例としては、ある男性の不倫の実態につ
いての調査依頼では、

調査対象者が仕事を終え、会社を出てから帰宅するまでの時間帯が一番疑わしいため

その時間帯に集中して尾行などをするといような具合です。

外に出ない午前中は、探偵事務所で相談
者との面談をすることもあります。

あるいは、別の案件の情報を集めたり、
資料をまとめたりもします。

つまり、一つのスケジュールに拘らず、

フレキシブルに動くことが必要なのです。

このように、探偵は業務の性質上、どう
しても不規則な生活になりがちです。

早朝でなければできない仕事もあります
し、深夜に現場に急行しなければならな
い時もあります。

また、長時間の張り込みや尾行は、想像
以上の体力と精神力を消費します。

酷暑の真夏、極寒の早朝など季節も関係なく

必要な時にはいつ何時でも動かなければ
ならないのです。

というわけで、いつもきっちり決まった
スケジュールで働きたいという人には、
全くむいていない職業ですね。

尾行と張り込み

尾行と張込みは、プロの探偵になる上で
最も重要なスキルです。

これをマスターしていないければ、

ド素人と言われてもしょうがありません。

尾行は、相手に気づかれないように後を
つけるというだけの単純な技術ですが、
これが非常に難しいのです。

相手を見失うのもNGですが、これは次の
機会もあります。

しかし、相手に気づかれた場合は、相手は
用心して行動パターンを変えたりするので

次の機会はもうないかも知れないのです。

張り込みも大事な技術ですが、これは相
手が移動しないのでその分楽ではあります。

そのかわり、酷暑極寒の中、何時間でも
立ちん坊で監視するという、体力と忍耐
力が必要になります。

探偵は危険?

探偵は危険な職業かといいますと、かな
らずしもそうとは言い切れないのです。

探偵事務所への依頼は、70%が浮氣調査

だそうです。

浮氣調査で直接生命に危険が及ぶという
ことは、まずありません。

しかし、探偵には社会の裏をのぞき見る
ような仕事もあります。

暴力団関係者、闇金融、過激派団体など

社会の暗い面に潜んでいる人たちとも、
接触しなければならないこともあります。

そのような場合でも、日本の探偵はアメ
リカなどとは違い、

武器の所有や携帯は許されていません。

勿論警察のような逮捕権もありません。

そのかわり、警察では介入できないよう
な民事事件にも対応することができるのです。

このように探偵の仕事は、常に危険の連
続というようなものではありませんが、

時には危険と隣り合わせというケースもありえます。

探偵の年収や時給は?

探偵の年収や時給は、所属事務所の規模
や内容によっても異なりますので、一概
に幾らというのは難しいです。

会社の営業力が高く、仕事の依頼が多い
事務所では

所長の年収が1000万円を越える場合もあるようです。

とはいえ、これは例外的な金額です。

一応の目安程度の金額は、

大手事務所では月に30万円前後、小規模な事務所だと20万円程度

ということのようですね。

年収にしますと、

300万円から500万円

というところでしょう。

他の業種と比べても決して高額とは言えない収入です。

しかも、勤務時間は長く、しかも体力、
精神力、忍耐力が必要な職業ですので、
決して割の良い仕事とは思えませんね。

探偵の収入は地方によってかなりの差があります。

高いのはやはり東京で、630万円程度、

続いて大阪で540万円前後となっています。

安い方は、最低が沖縄、宮崎、秋田、
青森などで

360万円前後のようです。

このあたりは、他の業種と似たようなものですね。

尚、上記はいずれも正社員の場合で、
アルバイトや助手などのパートの時給
は又別です。

事務所での事務の仕事が時給1000円から、

一般的な仕事内容(探偵業務)では1500円

となっています。

勤務時間や休日は、探偵という特殊な
業務だけに、明確には決まっていません。

1日の勤務時間が十数時間

ということもざらにあるようです。

休日出勤や残業も当然ありますが、突発
的なスケジュールが多い仕事ですから、
それもやむを得ないでしょうね。

探偵になるには資格が必要?

探偵になるためには、

学歴が問題になることはまずありません。

大学にも探偵に関する学部や学科はあり
ませんので、当然かもしれませんね。

とはいえ、法学部などなら探偵業務にか
らむ内容もありますので、これから大学
を志すなら、法学部は狙い所でしょう。

探偵の資格が必要なアメリカなどとは異
なり、

日本では探偵を行う際に、国家資格や公的な資格は必要ありません。

弁護士や医師とはその点は大違いですね。

日本でも探偵業務に関する法律はあります。

平成19年6月1日に施行されたもので、

探偵業の業務の適正化に関する法律(通称:探偵業法)

というものです。

これにより、日本で探偵業を行う際は、
都道府県委員会に開業の届出が必須と
なっています。

ただし、この法律は開業の条件と遵守義務
に関するもので、尾行などの探偵業に必要な

専門知識や技術を証明する資格とは関係ありません。

つまり、日本ではやろうと思えば、誰で
も何時でも、明日からでも、届出さえす
ればずぶの素人でも探偵ができるわけです。

しかし、公的資格はなくても、

探偵としての能力を証明する民間の資格

はあります。

それが一般社団法人 日本探偵業協会が
認定する民間資格です。

尚、2015年度以降の資格認定は、

『NPO法人 東京都探偵業協会』と合同で実施されています。

探偵調査士検定

これが探偵の実務と技術の検定です。

これに合格すれば、

聞き込み、尾行、張り込み、撮影などの技術と能力

が一定のレベル以上であると認定されます。

同時に、関係法令に対する正しい知識が
あることも証明する資格なのです。

これとは別に

探偵業務管理者検定

という資格認定もあります。

こちらは探偵の実務ではなく、主として
探偵事業者や管理職向けの資格です。

主として各種の法令諸規則等に関する知
識と、内部管理体制強化・教育指導や適
切な営業活動を行うのための知識があることが証明されます。

結び

こうして見てみますと、探偵の仕事とは
本当に大変な仕事なんですね。

決まった勤務時間もなく、休日も必要な
ら仕事に出なければなりません。

その割りには特に高給というわけでもな
く、

年収300万円-500万円程度のごく一般的な給与なのです。

又、探偵になるための公的な免許とか
資格も必要なく、しようと思えば誰で
も探偵となることができます。

但し、時と場合によっては、危険が全く
ないわけではありません。

あまり割の良い仕事とは思えませんが、

それでも探偵を志す人は多いようなのです。

やはり魅力のある仕事ということなのでしょうか・・・